アメリカで起業して4年くらい経つのですが、常に意識して気をつけていることがあります。
今回それについて共有したいと思います。
To CだろうとTo Bだろうと、あなたにも“お客さん”がいるのであれば、どんな仕事にも通ずる話です。
それは、
どんなお客さんに対しても「イヤなら別にいいですよ?」と言える環境
を維持すること。
前職での原体験
前職で印象に残っていたことがあります。
小さなアパレル卸しの会社だったんですが、めちゃくちゃオーダーをくれるお客さんがいました。売り上げ規模で100億くらいの会社です。アパレル小売で100億って超すごいんです。まさにお得意様。
売り上げ的には万々歳。まだまだ伸びしろはあるし、1社で大きなオーダーもらえる方が効率もいい。僕自身は直担当ではなかったんですが、みんなで一丸となってガンガン営業をかけていましたので、当然協力もしていました。
毎月爆上げを続け、そのお得意様からの売り上げが、ついに会社全体の売り上げの40%を超えました!!
めでたしめでたし♪
とはなりませんでした。残念ながら。
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ある時からお得意様からの要求がどんどん厳しくなっていったのです。
例えば、、
- 納期が〜までに間に合わないならオーダーしない。
- ○%値下げしろ
- 支払いサイトの変更
- 万が一のトラブルの際の費用負担は全額こっち持ち
売り上げ比率40%を超える会社にこれを言われるときつい。とても断りずらいです。でもオーダー欲しさに全部相手の言いなりになってしまえば、要求はどんどん厳しくなる。断れば当然会社の40%の売り上げが吹っ飛ぶ。
下手すりゃ会社自体吹っ飛ぶ。
そう、強者の戦略にまんまと引っかかってたんです。
売り上げ欲しさに目がくらんで、お得意様に依存しすぎてたんです。その足元を見られてしまった。
こうなっちゃうとヘコヘコするしかない。機嫌を損ねないようにびくびくしながら接するしかない。
完全にお得意様の立場が優位になってしまいました。
結局細かく交渉してうまく立ち回りながら、ギリギリで付き合っていくような形にはなったんですが、その後売り上げは激減した上、利益率もどんどん下がっていきました。
相手からしたら、使い勝手のいい安売り業者に成り下がりました。
誰にも依存しすぎない
前職の経験を通して、「ああ、依存しすぎると食い殺されるのか」と実感しました。
「あなたがいなくなっては困るぅ〜(泣)」となったら負けなんだと痛感しました。
ここで学んだことは、「イヤなら別にいいですよ?」といえる環境を維持しておくのがいかに大切かってことです。仕事で関わる誰に対しても。
その環境を維持するのはとてもカンタンで、「分散」と「仕組み作り」です。
まず「分散」。
その名の通り、特定のお客さんに依存しなければいいのです。個人的な目安としては売り上げ全体の20%が上限です。
それを超えるようなら営業を控える。または新規開拓をしたり、別のお客さんの売り上げを伸ばす。それで比率を維持できます。
分散できれば、最悪無理難題を突きつけられても「イヤなら別にいいですよ?」って言える。対等以上の立場を維持できます。これで交渉決裂したとしても、会社存続に支障はない。
「仕組み作り」は”誰に対しても”効率的に運用できる状況を維持しておく、ということです。
(ここはちょっとマニアックな上に抽象的な話なので、飛ばしてもらってもいいかもですw)
例えば先程の前職の話。
お得意様のオーダー急増を機に、会社はアルバイトを何人も雇い、彼らの入荷商品専用の広いスペースを設けていました。それだけなくお得意様の好むオペレーションも取り入れて、検品基準から仕入れのルールまで彼らに合わせて変えていってしまいました。
つまりAさんに対してはこんなオペレーション、Bさんに対してはこう、など状況に合わせて統一感がなくなっていったのです。にもかかわらず、時と場合により順応していくこともいい仕組み作りとみんな考えていました。
当時の状況だけを考えれば、一見売上成長につながる合理的な手段に見えたかもしれません。
でも今思えば、そもそも時と場合によって変えないといけないこと自体、仕組みの作り方が間違っていると感じます。
タイミングや相手の都合で変えるのではなく、自社のために誰に対してもどんな状況にでも運用できる仕組みを維持するべきです。その点をキープして初めて効率化に向けて改善していくのです。
なので僕の場合は目先の(ルールや仕組みを変えなければいけないような)売り上げは無理に追求しません。あくまで自然体です。
BUYMAも含め小売以外にも、前職の経験を活かして卸し販売も行っていますので、この辺は徹底して意識しています。
お客さんにも、
従業員にも、
各提携業者にも、
最悪「イヤならいいですよ?」と言える環境を維持できるように意識しています。
もしあなたの周りに、それを言えない人がいるのなら要注意かもしれません。
では!
どでぃ